
豊かさという事
大阪から野菜を送ってくれる友人が、
塩野七生の本(私は好みではない)に感化されて、
シーザーが辿ったヨーロッパ各地探訪を実施している。
企業戦士だった彼は、
ビジネス以外、海外旅行は行くことが無かったので、
仕事を離れ、初老の男一人旅を楽しんでいる。
その彼が、旅行中、ヨーロッパの豊かさをつくづく感じると言っていた。
国が破たん寸前でも、仕事がなくたって、
豊かにゆったりと時が流れ、楽しそうに生きていると。
ヨーロッパの人は、長い歴史の中で深い文明に裏打ちされたDNAで、
物質的豊かさを求めず、自分に相応しい人生の楽しみ方を知っているのでは。
物質的豊かさのみ求めてきた資本主義は、
結果、豊かにはなれなかった。
リッチモンドの英国人講師が、
日本は、日本人が持っている倫理観をすっかり失くしてしまった。
イギリスも時代の変遷はあっても、
根底に流れる英国魂は脈々と受け継がれていると、いう。
「貧しい人とは、少ししか物を持っていない人では無く、
無限の欲があり、いくらあっても満足しない人だ」と
演説したホセ・ムカヒ、ウルグアイ大統領の言葉が重なる。