ヤング・ソルジャー
2017/06/26
名前だけしか知らなかった石田禮助の生涯を描いた
「粗にして野だが卑ではない」by城山三郎を読んだ。
三井物産時代ほとんどを海外で過ごし社長歴任後、
誰も引き受けなかった国鉄総裁を78歳で引き受けた。
商売で生きた後は、パブリック・サービス、世のために尽くす、
それでパスポート・フォア・ヘブン(天国への旅券)が与えられるといった。
また、記者会見で彼の年を懸念する記者の発言に、
気持ちはヤング・ソルジャーだと。
Generalではなくsoldier、
本物のソルジャーは、自分を犠牲にして耐えて耐え抜く人。
また、パブリック・サービスに属する仕事は
給与をうけるべきではないという持論で受け取らなかった。
パブリック・サービスに属する人々がただ乗りして、
卑しく感じないのかと、
優待パスもすべて返上、
接待ゴルフも禁止。
卑怯を憎み、高いモラルを持って
豪快に潔く生きた石田禮助氏。
石田氏が国鉄を去る時
前例のないことに、野党議員も別れを惜しみ宴席を設けた。
あまりの嬉しさに超高級店で、
もちろん自腹でお返しした。
正義感の強い明治の硬骨漢の石田氏のような人はどこにもいない。
粗で野で卑の三拍子そろったパブリック・サーバントばかり、
パスポート・フォア・ヘブン、欲しくないのね。
知的レベル
2017/06/13
東大教授の安富歩さんが、メヂィア時評(毎日新聞)で
“タブーを恐れるな”と題しコメントを書いている。
彼は英国留学中に日本では見ないテレビと新聞に魅了されたとか。
「日本に比べて知的で刺激的で遊び心に満ちており、
とてつもなく面白く感じたのである」
日本に帰り、
「耐え難いくらいに退屈にみえた。
メヂィアの忖度ぶりは、一層ひどくなっている」
BBC2の当時のキャッチフレーッズは“私たちはタブーを恐れません“
この間の選挙の前も”She is a liar”
というコミカルなリズムの歌が流れていた。
“You can trust her? NO, NO, NO,.NO!
さすがイギリス、シニカルで嫌味たっぷりだが、
思わず笑っちゃう抜群のユーモアセンス。
それに比べて、日本では。
忖度を通り越して、べったりの御用新聞の大本営発表。
また、テレビは“知的貧困”をこれでもかとさらけ出している人々・番組。
真面目とか、誠実とか、やさしさとか、努力とか、が追いやられ、
いい加減さや不真面目さや軽薄さなどが真ん中にある。
やっぱりおかしい。