一人演劇鑑賞 エドワード二世
2013/10/28
何年ぶりかで都民劇場の会員になった。
都民劇場は、演劇、歌舞伎、新劇サークルと音楽サークルがある。
また、宝塚や、オペラ等、種々の情報が毎月送られてくるため
特別斡旋公演として、チケットが購入できる。
以前、友人と3人で演劇サークルの会員になっていたが、
3人のリクエストと日時を合せるのがとても大変になり、
3年間くらい継続したが止めていた。
造詣深く豊かな生活を送りたいと思い、
久しぶりに、都民劇場の新劇コースを申し込んだ。
友人を誘っても時間が合わなかったり趣味も違うので、
大人一人遊びをすることに。
このコースは、半年に5回の演劇が楽しめる。
今月は、新国立劇場の“エドワード二世”
史実では〝悲劇のエドワード二世″なのだが、
柄本佑(父親は柄本明)のエドワード二世は喜劇仕立てで、
話し方も、立ち居振る舞いも“バカ殿”を呈していた。
脇はベテランの新劇俳優が演じていて、セリフ回しが独特の新劇調。
個人的には〝新劇調″、〝歌舞伎調″、〝宝塚調″、とか
〝いかにも何々″は好みだ。
商業演劇と違って、舞台装置や衣装は地味で費用をかけられないようで、
涙ぐましい努力を感じた。
マチネーだったせいもあるが、一人鑑賞者が多かった。
携帯電話の会話から察すると、専門家らしき人も多く、
殆どが、かなりの演劇愛好家と見受けられた。
休憩時間にコーヒーを飲みながら人間観察をし、
浮いている自分を感じつつも、その空間は充分楽しめた。
ポスターとパンフレット
また、英語
2013/10/22
このブログでも何度も取り上げている英語力。
最近、日本語で書かれた単語(文章?)にスマホをかざすと、
翻訳された単語が表示されるとか、というニュースを見た。
翻訳機もいろいろ発売され、
近い将来、話した言葉がそのまま翻訳される時代が来るだろう。
本当に便利になることには違いない。
でも、待って!
器械を通してのコミュニケーションで良いのか?
便利になると、人間怠ける。
日本人の英語力の低さの一因は、その便利さに起因している。
専門書から小説まで、殆どの本は日本語に訳されている。
海外の専門家を招いて教授してもらう必要もないほど、
国内に優秀な人材がいるため、
全て日本国内でまかなえる。
でも、なんか違うような気がする。
また、最近気になったことがある。
お子さんに何故、英語を勉強させるのか。
親御さんの中には、成績が良いことにのみ重点を置く。
そのため、テストが出来ればそれで満足。
コミュニケーションが出来ないことには問題視しない。
なんか違う。
英語を学んで、良い成績を取る事が目的ではない。
子供でも、自分を知るため、自分と違う考えがある事を知るため、
違う価値観を認めるため、広い世界を知るため、等々必要な事。
自分の周りの人とだけでなく、
小さい時から、多様の人とコミュニケーションを取る楽しさを知って欲しい。
新・幸福論
2013/10/16
岸井成格氏と細川護熙元首相の対談(毎日新聞から)
細川氏
大量生産、大量消費の時代から経済成長至上主義ではない時代に切り替えて
いかないといけない。
経済の規模を徐々に縮小することで、消費を抑制して、本当に必要なものだけ
を消費することで、真の幸せにつなげていくべきだと思う。
岸井氏
成長神話、大量生産、大量消費という仕組み、メカニズムが出来上がっているため、壊すのは大変。
細川氏
革命的に壊さないといけない。
経済学者や政治家、経済界は、経済さえ良くなれば、
全て丸く収まるというように発言している。
経済成長至上主義での幸せなど幻想に過ぎないのではないか?
地球の資源は有限であり、消費し続けたら枯渇し、破綻してしまう。
本当に経済成長=幸せと思っているのか?
そういう私自身、大きなことを言っても
無駄な消費はしないとしても、不自由な生活はもう出来ない。
不安を感じながら、矛盾に満ちたスポイルされた生活を送っている。
では、どうすれば?
細川氏が引用した言葉にヒントがあると思う。
【…明治時代旧制5高で教師をしていたラフカディオ・ハーンが、
「善意と素朴を愛し日常生活において無用のぜいたくと浪費を憎む精神。
今日本の多くの人たちが持っているその精神を、これからも維持、涵養して
行くならば、日本という国は将来、欧米を圧倒する、欧米よりはるかに上位に行ける、
真の文明国家になるだろう」と言っていたという。
(中略)
その当時、欧米から来た知識人の多くがどこへ行っても、日本人は決して豊か
ではないけれどもみんな幸せそうな顔をしている。こんな素晴らしい国はないと言っている…。】
100年以上前の日本の倫理観・精神性の評価は、非常に高いものだった。
いつの間に日本は金満国家に成り下がってしまったのか?
“欧米を圧倒する真の文明国家になる”機会を失ってしまったのだ。
台風一過の表参道
秋の夜長のコンサート
2013/10/07
日の暮れるのが、あっという間のつるべ落とし。
酷暑の夏から秋が急速にやってきた。
先週は秋の夜長を楽しむべく、3つのコンサートに行った。
THE GOOD TIME at COTTON CLUB
丸の内のコットンクラブ。
数々の金字塔を打ち立てた世界的ジャズ奏者の渡辺貞夫さん。
今回は、1970年後半から1990年代にかけての楽曲を、
いつものメンバーたちと、激しく、スマートに、
いつもながらにオシャレに披露してくれた。
現在80歳、
全くお年を感じさせぬアルト・サックスの奏でる演奏は、
去っていく夏を惜しみ、秋の夜長を楽しむように、心にしみる。
そして、サントリーホールの読売交響楽団。
月1回のコンサートは、一服の清涼剤。(たまに入眠剤になることも)
今回の指揮者は、
世界最高齢の指揮者の一人であるスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ。
何と90歳。
前半ベルリオーズを40分、休憩があり、後半ショスタコーヴィチを50分、
渾身の力を込めて全身でタクトを振る。
90年の重みは、孤高の光を放ち、聴衆を感動に震えさせる。
そして週末は、ご近所のMusic Restaurantラ・ドンナ。
“ガロ”のボーカルこと、大野真澄のライブ。
彼も40年以上、
ガロ解散後、音楽ジャンルで活動し続けている。
ガロ時代の曲だけでなく、洋の東西を問わず広いレパートリーは、
聴衆を興奮させる。
過ぎ去りし日の感傷に浸りながら、
彼のセクシーな声とアコースチックなギターのサウンドを堪能した。
3人の音楽を究め続けている偉人たちのコンサートから
エネルギーを与えられた一週間だった。