
2016年の終わりに
私の一年は、毎年サントリーホールの第九で幕を閉じる。
第九は指揮者によって解釈の違いか、
聴くたびに全く違った曲に聞こえる。
ドイツの俊英シュテンツは、静寂と激しさを自由自在に使い分け、
テンポ良い、エネルギー溢れた第九だった。
感動の第4楽章、歓喜の歌は
独唱の4人の高らかな歌声と、
ピタッと乱れず決まった合唱も素晴らしかった。
ベートーベンの愛読したシラーの詩を引用した喜びの歌は、
自由・平等・希望を歌ったものだ。
初演は1824年、
約200年の時を経ても
人間は全く成長していないのか、
歴史は繰り返すのか。
ソ連が崩壊し、ベルリンの壁がなくなり、
東欧諸国の民主化、
欧州統合。
8年前にチェンジを合言葉に登場した黒人初の大統領のオバマ。
ついに、世界は平和に向かって進んで行くのだと思えた歓喜の瞬間。
それは、しばしの夢と化し、
何処で間違ってしまったのか、
世界は逆方向に・暗闇に向かってまっしぐら。
閉塞感と無気力、不公平感、また、お互いを罵り合う憎悪の応酬。
先行き不安でいっぱいな年の瀬である。
来年は、
この負のエネルギーにチェンジが訪れるような希望が生まれることを切に願う。
縁起物、郷土人形・芝原人形
だるまを持った招き猫 大黒様