
トルコ
30年以上も前、
まだ日本にトルコ風呂という名前の下品な場所があった頃、
トルコのイメージアップのため、
トルコ観光局の招待を受けた友人のお供でトルコに行った。
エーゲ海に面した美しい古代都市イズミール、
シーザーが出てきそうな遺跡の数々。
イスタンブールの迷路のようなバザール。
アジアと欧州の分岐点、ボスボラス海峡。
コーランの響き渡るアヤソフィア。
トルココーヒーをカフェでのんびり飲み、
地中海の風を身体じゅうに受け、
ゆったりとした時間の流れに、
悠久の時を感じていたのを思い出す。
想い出の中のトルコは、
人々も優しく穏やかで、美しい平和な国だった。
しかし今は、シリア、イラク、ISIS等、紛争地帯に面しているため、
国情が不安定になって、危険な国になってしまった。
また、エルドアン大統領が誕生して以来、
言論の自由が奪われ、
汚職事件を報道した記者は逮捕されたり、
政権に反対するジャーナリストは弾圧を受け、懲役刑になるとか。
彼もまた、強いトルコを目指しているという。
数年前の学生の反政権デモはすっかり影をひそめ、沈黙が支配している。
昨年のクーデター未遂以降、弾圧は一層激しくなった。
日本の明日の姿を想像してしまう。
強いアメリカ、強い日本、
行きつく先に何があるというのか・・。
春爛漫はもうすぐ