
吉松整形外科と無言館と別所温泉
英語の生徒さんでもあった友人のYさんが、
シェットランドシープドッグのレオンちゃんと共に故郷の上田に帰り、
整形外科医院を開業した。
上田市郊外で
遠くに山並みが見え、陽の光にゆったりと包まれた素敵な診療所だった。
開業して間もないのに、
一日100人以上の患者さんを診ているとか、
超小柄な女医さんは、張り切っている。
上田に来たら、
行きたかった無言館。
戦没画学生の慰霊美術館。
“無言館は戦死した画学生たちの単なる美術館ではなく、
今もそこに生き続けている絵たちの美術館である。“
――開設者の窪島誠一郎――
しーんとして魂が息づいているような張りつめた空気感。
若き才能が理不尽にも戦争で奪われ、その無念の叫びが聞こえてきそうだ。
また、遺族たちが、あの戦禍の中、大切に保存していたことにも胸打たれる。
開設されて13年。
年々、来館者が少なくなり、
また、遺族も亡くなって、絵画や情報収集も困難になりつつあるとか。
戦争の足音が近づきつつある昨今こそ、
戦争の悲しみが詰まった無言館に沢山の人に訪れて欲しい。
そして郷愁の別所温泉。
信州の鎌倉と呼ばれている古い温泉街。
4・5歳の子供の頃、父が出張していた町立病院があり、
時々、父を訪ねて家族で過ごした花屋ホテル。
消えゆく記憶をたどると、
其処ここに何年も変わらぬ原風景があった。
上田の武家屋敷