2018年
新年は快晴の三が日とスーパームーンでスタート。
明るい新年か・・・。
昨年末から今年にかけて心に留まった新聞記事から、
“回顧から共生の未来へ”島薗進氏
現在、新自由主義的な経済によって世界中で格差が拡大している。
経済成長の流れでしか問題の解決法を考えられない状態は発想が貧困というしかない。
人々は優越意識の確保に必死になり、
他者との「共存共栄」を具体化するような政治が見られない。
宗教界や学問の世界は人類が養ってきた良識の発展、多様な価値観の尊重、
文明の共存を目指している。
それはかすかな希望であり、良識派の「抵抗の時代」とも言える。
“カーテンを開けて” 小松浩氏の社説から
「互いに知らず、理解しあえないなら、どこに平和があるのか。
互いに切り離され、相手に学ぶことも許されないなら、どうやって共存できるのか」
「対話とふれあいの妨げとなるカーテンを、さあ脇に捨てよう」
1957年、ノーベル平和賞を受賞したカナダの政治家、ピアソンの言葉。
それから60年。相互理解を阻む壁はむしろ高く、厚くなった。
あらゆるものごとを勝利か敗北か、栄光か屈辱かで色分けする思考に、
世界が染まっているように見える。
他者を丸ごと否定する集団心理へと駆り立てる力に流されないようにするには、
一度、他者の視線を通して世界を見つめ直すことが必要だ。
“お互いさま、助け合い”をモットーに生きてきた良識的日本人は、
“自分ファースト”が蔓延り、
人間としてあるべき指針が大きくずれた世界に
どのように立ち向かい進んでいくのか、
漠とした不安な新年のスタートだ。
新年の風景