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日本でいちばん大切にしたい会社 ―坂本光司
2017/05/26
友人の大橋良さんのブックフェアで手に取った本。
彼のお勧めで読んでみた。
あまり知られていない中小企業の経営者たちの心を打つ経営哲学。
彼らの感動的語録に心打たれた。
その一つが中村ブレイズ。
石見銀山に本社がある義肢装具メーカー。
まだ日本には義肢という概念も製品も存在していない時代1974年創業。
社長の中村氏は、働きながら学び、渡米もし、
世のため、人のために貢献できる仕事としたいと技術を学び、
故郷に会社を作った。
中村ブレイズの製品はすべて手作り、
一人ひとりのお客様に対応したものを作らなければならない。
必要なものを必要としている人に…、
世界に一つしかない本当の物づくり…というコンセプト
”五体不満足の方や高齢者の方、いわば社会的弱者の方々が
人間の尊厳を失わずに生きていく事を支える会社“
医療や福祉関係、介護等に関する製品が少ないのは、
責任と手間がかかるため、利益に見合わないということらしい。
物づくり大国日本は、
効率のみを追及するのではなく、
弱者のための物づくりこそ、器用な日本人の真骨頂ではないか。
倫理観などお構いなしで利潤追求。
自分さえよければそれで良し、とする感謝を忘れた新自由主義。
世のため、人の為にという大会社の企業人が見当たらなくなって久しい。
友人Yさんの百花繚乱の庭園
毎日STから――阿部祐二さんインタビュー
2017/05/12
ワイドショウ的テレビは見ないので、
リポーターの阿部祐二さんの事はあまり知らないが、
彼の外国語に対する熱い思いのインタビューが
Japan times STに載っていた。
彼は留学経験も海外生活も経験ないが、
英語と韓国語は通訳なしでインタビュー出来るという。
“There are no shortcuts.” he said. “I’ve functioned on about three hours of sleep a day since I was 14. ………….
If I allowed myself to take a break, the English falls away. It has to be practiced, if not daily then on a regular basis, otherwise it disappears.
………mastering a foreign language is similar to becoming an athlete ———–
English is like a muscle in the brain that must be exercised and toned relentlessly, otherwise it goes slack.
—–The only route is to work hard, every day.
外国語習得は日々の努力の積み重ね、
少しでも怠ると、せっかくの努力も泡と消える。
アスリートの筋肉のように、努力し続けなければ落ちてしまう。
日々の努力のみ、近道も王道もない。
生徒さんにもいつも言っている。
一旦遠ざかってしまうと、ゼロになってしまうのが語学。
”これで良し”は無い。
その言葉を守ってくれているのか、
リッチモンドスクールの生徒さんは
平均10年以上は通ってくれている。
有難いと同時に責任重大だ。
嬉しい口コミ
2017/05/01
現在EPARKというサイトを通したキャンペーンで、
体験レッスンの大安売りを開催している。
先日いらした生徒さんが非常に好意的なコメントをEPARKに記載して下さった。
「教室はアットホームな雰囲気で、事前にこちらの英語力や、
やりたいこと等の希望もメールで聞いてくださいました。」
「本当に久しぶりの英会話で、自信がなく、行く前は心配で少し憂鬱だったのですが、
行ってみて、本当に楽しくて、行ってよかったです。
英語頑張ろうって思えました。
また、先生に会いたいので、参加したいなぁと思いました。」
講師の方に対する評価:
「先生は、もう本当最高です。
まだお若いですが、とても暖かい感じで、優しくて、
日本語でコミュニケーションできるので
(詳しくは会ってのお楽しみで、詳細は書きませんが)、
英語だけだと心配な私のような人でも、全然大丈夫です。」
「先生とのおしゃべりが楽しいので、あっという間の一時間でした。
終わった後は、英語もっと頑張ろうって思わせてもらえました。」
講師はLena
彼女はコメント通りの非の打ちどころのない講師。
利発で、エネルギーあふれ、やさしく暖かい。
この様な若者に最近お目にかかったことがない。
リッチモンドスクールの財産だ。
老婆心ながら、
頭脳明晰、心身ともに優秀な若い彼女が
幸せな人生を送れるような世の中であって欲しいと心から思う。
最後にS.S.さま
最大級のコメントありがとうございました。
世界から見た日本は?
2017/04/21
高校まで日本で、大学から現在までパリで40年以上過ごしている友人が
息子さんの転勤で日本に一時帰国している。
息子さん(日本人母とインド人父で、生まれ育ちはフランス、奥さんはパリジェンヌ)
本当のコスモポリタン。
日本語、フランス語、英語、インドの言語数種を不自由なく話す。
彼は、日本滞在が3年になり、フランスに帰国する。
フランスにいる時は、フランスの嫌なところが目につき、
日本にいると、日本の悪いところが目につくと。
でも、やはり最近の日本の政治はひど過ぎ、人々の無知も酷いと言う。
少なくともフランスでは、もう少し政治に関して民衆の関心があると。
特に日本男性の無関心さには唖然とすると・・・。
彼のママである友人は、
東日本大震災の時は、大学で音楽を教えていた。
同僚たちは慰めてくれたというよりは、福島の原子力爆発を非難したという。
世界中に放射能をまき散らし
海を汚し大気を汚染し、どうしてくれるんだと、
日本の無責任さに非難ごうごうだったらしい。
今でも、世界中に迷惑をかけているのに、オリンピックどころではないだろうと
オリンピック開催を嘲笑しているとか。
中国人の図々しさの次に、日本人は嫌われ始めていると。
彼女はルペンが大統領になったらフランスを捨てると言っているが、
日本も最悪だし、安住の地は何処にあるのかしらと、嘆いていた。
吉松整形外科と無言館と別所温泉
2017/04/03
英語の生徒さんでもあった友人のYさんが、
シェットランドシープドッグのレオンちゃんと共に故郷の上田に帰り、
整形外科医院を開業した。
上田市郊外で
遠くに山並みが見え、陽の光にゆったりと包まれた素敵な診療所だった。
開業して間もないのに、
一日100人以上の患者さんを診ているとか、
超小柄な女医さんは、張り切っている。
上田に来たら、
行きたかった無言館。
戦没画学生の慰霊美術館。
“無言館は戦死した画学生たちの単なる美術館ではなく、
今もそこに生き続けている絵たちの美術館である。“
――開設者の窪島誠一郎――
しーんとして魂が息づいているような張りつめた空気感。
若き才能が理不尽にも戦争で奪われ、その無念の叫びが聞こえてきそうだ。
また、遺族たちが、あの戦禍の中、大切に保存していたことにも胸打たれる。
開設されて13年。
年々、来館者が少なくなり、
また、遺族も亡くなって、絵画や情報収集も困難になりつつあるとか。
戦争の足音が近づきつつある昨今こそ、
戦争の悲しみが詰まった無言館に沢山の人に訪れて欲しい。
そして郷愁の別所温泉。
信州の鎌倉と呼ばれている古い温泉街。
4・5歳の子供の頃、父が出張していた町立病院があり、
時々、父を訪ねて家族で過ごした花屋ホテル。
消えゆく記憶をたどると、
其処ここに何年も変わらぬ原風景があった。
上田の武家屋敷
人が亡くなるということ
2017/03/17
“当初よりステージIV、余命1年の告知を受けておりましたので、
今日の日が来る覚悟はしておりましたものの、
弟を失いましたこの喪失感は何とも言葉になりません。
幼少期より今日に到るまでの二人の生い立ちや、同じ俳優として過ごした日々が思い返され、
その情景が断ち切れず、辛さが募るばかりです。“
これは、3月14日に亡くなった渡瀬恒彦さんを悼むお兄様、渡哲也さんのコメントです。
先日、姉の3回忌を終えたばかりの私にとって
彼のコメントに涙がとまらない。
姉もステージⅣで余命半年と言われたが、4年半生きてくれた。
ガンと共に生きて、人生まっとうするのかと一時は期待したが、
明るく気丈な姉は、全てを受け入れ、
最後まで楽しく生きて旅立った。
70年の生涯だった。
姉の死は、自分の存在自体も空虚になり、
身体の中から疼いてくるような想像以上の悲しみだった。
姉がこの世に居ないと思うと、呼吸困難になりそうになる。
今でも時々、胸塞がれるような悲しみが、胸の底から這い出してくる。
どうやっても戻れない日々は延々と続く。
小さい頃、二人で過ごした数々が思い出される。
誰とも共有できない事柄、日々。
文房具家のおばさん、隣のテルちゃん。
傘を持って、二人片寄せ父を待った改札口。
お揃いのフレーヤーのワンピース。
あつい夏の日。
かぶりついたトマトの味。
もう話す相手がいない。
トルコ
2017/03/13
30年以上も前、
まだ日本にトルコ風呂という名前の下品な場所があった頃、
トルコのイメージアップのため、
トルコ観光局の招待を受けた友人のお供でトルコに行った。
エーゲ海に面した美しい古代都市イズミール、
シーザーが出てきそうな遺跡の数々。
イスタンブールの迷路のようなバザール。
アジアと欧州の分岐点、ボスボラス海峡。
コーランの響き渡るアヤソフィア。
トルココーヒーをカフェでのんびり飲み、
地中海の風を身体じゅうに受け、
ゆったりとした時間の流れに、
悠久の時を感じていたのを思い出す。
想い出の中のトルコは、
人々も優しく穏やかで、美しい平和な国だった。
しかし今は、シリア、イラク、ISIS等、紛争地帯に面しているため、
国情が不安定になって、危険な国になってしまった。
また、エルドアン大統領が誕生して以来、
言論の自由が奪われ、
汚職事件を報道した記者は逮捕されたり、
政権に反対するジャーナリストは弾圧を受け、懲役刑になるとか。
彼もまた、強いトルコを目指しているという。
数年前の学生の反政権デモはすっかり影をひそめ、沈黙が支配している。
昨年のクーデター未遂以降、弾圧は一層激しくなった。
日本の明日の姿を想像してしまう。
強いアメリカ、強い日本、
行きつく先に何があるというのか・・。
春爛漫はもうすぐ
自国ファースト
2017/03/03
私の好きなテレビ番組に英国ミステリーの刑事フォイルがある。
英国ヘイスティングスが舞台。
イギリス独特の田園風景が海辺の町に広がって美しい。
時は第二次大戦中。
ヘイスティングは一見穏やかで、
景色も登場人物たちも美しく、
もんぺ姿や国民服で焼夷弾に逃げ惑う様子がないので、
画面では、戦争だと分かりづらい。
しかし事件の背後には、
ドイツから逃れてきた兵士の話や
脱走兵や
ナチスの話。
一般市民からのイタリア人やドイツ人への差別。
戦争ゆえの悲劇や残酷さが、ちりばめられ、
心は荒んで、不安と恐怖の日常が描かれている。
今現在、日本でも外見は変わらない日常に見えても
迫りくる危機が、足元に押し寄せ、
砂上の楼閣の上に立っているような感じがする。
平和はもろくも崩れ、
気がついた時は逃れられない事態になるのではないか。
このまま、利己主義、愛国主義が世界中蔓延したら行き着く先は戦争。
日本だけでも戦争をしない国として、
70年以上戦争をせずして平和を構築した国として、
世界に模範を示す時ではないか。
Post Truth
2017/02/20
最近日本でも良く耳にする言葉;
2016年オックスフォード英語辞典の
Word of the Year(今年の流行語)は、Post-truth (真実以後)。
客観的な事実が重視されず、感情的な訴えが政治的に影響を与える状況。
事実はもはや重要ではなく、個々の感情、自分が世の中をどう思うか。
インターネットの出現で注目されるようになった。
トランプ大統領の誕生に大いに貢献したのはツイッターだと云われている。
自分が言いたいことだけを、一方的に投稿し、
ある種の人々は真偽を確認すること無く信じ、熱狂的に支持した。
ネットの世界は、
自分にとって都合の良い情報のみを信じやすく、
不快になるような情報は、なるべく見ないようになる。
言いたいことを一方的に言い放ち、聞く耳を持たない。
思い通りにならなければ相手のせいにし、
自分こそ正しいと思い、
相手を徹底的に口汚くののしる。
私自身も、また、SNSで繋がっていると、
お互い似たような思考を持つため、同調し認め合い、
自分達の考えが一般的だと思ってしまう。
ゆえに、
偏っていると思われる情報でもちゃんと見据え、判断しなければいけない。
不快になって見ていられないが・・。
右も左も見て、
真偽を理性的に判断できるように努めたい。
ラトビアの十得 ~ ”日曜日ですよ!”by小川糸 (毎日新聞)
2017/02/10
最近のブログは暗くなるばかりなので、今回はちょっと素敵な話。
小川糸さんの本は読んだことがないので、後ろめたいが、
糸さんが連載している“日曜日ですよ!”は
毎回、心がスーと解けていくようなフワッとして優しい感覚にしてくれる。
彼女の家のトイレの壁に「ラトビアの十得」がかかっているそうだ。
取材でラトビアを訪れた際、
”まじめで美しく、足ることを知りながらも
豊かに楽しく生きている人々の姿に衝撃を覚えた“そうだ。
ラトビア人が守っている大切な事が十得だそうだ。
糸さんの解釈によると、
常に正しい行いをしましょう。
隣の人と仲良くしましょう。
自らの知識や能力を社会のために惜しみなく差し出しましょう。
真面目に楽しく働きましょう。
それぞれの役割を果たしましょう。
向上心を忘れずに、自らを洗練させましょう。
家族や隣人、故郷、自然など衣食住のすべてに感謝しましょう。
どんな状況におちいっても朗かに明るく受け止めましょう。
ケチケチせず、気前よくふるまいましょう。
相手の立場に立って寄り添いながら生きていきましょう。
そして彼女は、
“人間の、本来持って生まれた正しさというものを信じている点がとても素敵だと思う。
・・・・・ 私も、朗かに、清く正しく、生きていきたいと思う“と。
そんな桃源郷がこの地球上にまだ存在しているのか、
ラトビア、一度訪ねてみたい。
そして私も、朗かに、清く正しく、生きていきたい。
注:ラトビア
バルト三国(エストニア・リトアニア・ラトビア)の1国で
EU、NATOに加盟。
JIM-NETのチョコレート(子供たちの絵)