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資源は有限
2014/08/18
自宅のクーラーを遂に替えた。
約50年近くは使用している。
一度も壊れたことが無いが、最近効きが悪くなったので、
この暑さ、転ばぬ先の杖で、新しく購入した。
別の部屋にあるクーラーも故障気味なのでついでに見てもらった。
13年経つので、部品がないとの事。
たった13年。
車のクーラーも壊れて、今年は遂に全取替えと云われた。
車一台買えるほどの見積だったため直すのは諦めた。
20年近く乗っているが、週一ドライブのため、まだ新車の様だった。
50年使用のクーラーは全く壊れず、その間に別のクーラーは買い替えている。
新しいものは、すぐ壊れるし、直すのと新しくするのと同じ費用。
おかしい。
テレビ、冷蔵庫、クーラー、大型電気商品が短期間のうちに壊れ、
部品も製造中止、仕方なく買い替える。
経済学者は、消費が伸びることで経済のバロメーターを計る。
新製品を次々製造し、資源を無駄遣いし、
自然に返らないゴミの山に埋もれる。
いつか資源は枯渇してしまう。
これで良いの?
資源の争奪戦が戦争の一因でもあるのに。
Photogenicじゃないノラちゃん、本当はもっと可愛いオ顔
戦争と平和
2014/08/11
毎年8月、この季節、特に今年は戦争について考える。
天皇陛下も昨年末のお誕生日で、また今年、新年のお言葉で、
世界平和への願いを何度も仰っていた。
お誕生日のお言葉は、
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、
守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、
今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、
改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、
深い感謝の気持ちを抱いています。また、
当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」
現状の憲法は、押しつけ憲法ではなく、
守るべきものと仰っている。
様々な考えがあり、環境も、世界情勢も日々変化しているから、
恒久平和を日本だけが唱えてもという人も多い。
他国がやっているから、日本も、
やられたらやり返すというような稚拙で幼稚な理論。
松井広島市長の6日の平和宣言、
“憲法の崇高な平和主義のもとで69年間戦争をしなかった事実を
重く受け止める必要がある”
日本の平和主義を、69年も戦争をしなかった強さを世界中に示し、
紛争だらけの世界のお手本になるべきだ。
英語熱
2014/08/04
オリンピック、グローバル化、英語が必須と云われて久しいが、
英語熱は盛り上がっていない。
外国人の接客に困っていても、街中外国人だらけでも、
英語は自分には関係ないと思っている若い人が多い。
貧富の差と同じで、英語が出来る人と、全く出来ない人の差が激しく、
出来ない人は全く興味が無いようだ。
私がリッチモンドスクールを始めた30年ほど前は、
英語を話したいという人で、溢れていた。
50歳以上の年代で、
“英会話”を勉強したことが無いという人は少ないと思う。
みな一度は経験済み。
高いモチベーションで、依然として英語に興味を持ち勉強し続けている人と、
上手になるはずはないと、もう二度とやる気を失っている人と分かれる。
諦めてしまった人に、
もうひと頑張り、努力すれば、何とか楽しめるほどの英語力は付くのに、と
残念でならない。
水泳などと違い、結果が見えづらい為、かなり努力は必要なことは確か。
でも、かじっただけではもったいない。
学校で何年も習ったのだから、成果は必ず出る。
亀の歩みのようで本人に自覚がなくても、確実に進んでいるのだ。
通じる喜び、知るは楽しみなり。
それまで頑張ってほしいと切に願う。
また、拒否反応なしに一度は、試して欲しい。
世界が広がる。
戸田公園花火
暑さの中で
2014/07/29
毎日記録的な暑さが続いている中、
日本中、世界中、不穏な動き。
その上、自分勝手が横行し、疲れが増大する。
電車の中で、
押しのけて座ろうとする若者が多い。
座りたい理由、
ゲームにメールにラインに・・・気持ち悪いほど全員下を向いてスマホの世界。
だから、赤ちゃんマークを付けた妊婦さんが前にいようが、
老人や、身体の不自由な人に気が付かないのか、気が付かないふりか、
自分の世界で、全く、どこ吹く風。
以前、石原元都知事が、電車の中でお化粧する女性に、
条例で禁止させたいと言っていたが、
スマホをしたいのなら、座ってはいけないとか、何とか対策を立ててほしい。
帰って新聞を開くと、
天皇皇后両陛下の被災地に心寄せる追悼の旅の写真。
南三陸町長の言葉に、
「震災直後の4月27日、お見舞いにいらした時、体育館で靴下だけだった私を見て、
皇后陛下はスリッパをお脱ぎになり、
冷たい床の上を歩いて町民を励まし続けた。・・・・」
また今回「両陛下の、震災の風化はさせないという強いご意志を感じた」と。
ご老体にムチ打ち、”雨にも負けず“のように、
東に病気の子供あれば、・・・、南に死にそうな人あれば、・・・、を
実践なさっていらっしゃる。
平和を愛し、気品と気高さと思いやり溢れるお姿、
その無私のお心は、日本中を優しさに包みこむ。
両陛下は、日本人の誇りであり、最後の砦であると思う。
暑くて大変なのは、人間だけではありません。
野良ちゃんも・・
ルーマニア(2)
2014/07/23
先週に引き続き、ルーマニア。
リッチモンドスクールでは、色々な国から先生を採用している。
生徒さんもスタッフも、未知なる世界から沢山の発見をもらえる。
以前ブータンから慶応大学院に留学中だったKingzanが
働いていた時は、生徒さん達とブータン熱に浮かされていた。
Anaがリッチモンドスクールの先生になってからも、
関心事はルーマニア。
彼女は、日本に対して貪欲なまでに興味を示し、
日本を吸収し経験し、楽しんでいる。
日本人として、とても嬉しく、また新鮮だ。
先週は、浴衣と帯を買ってきて、お台場クルーズに行くので、
着せて欲しいと言ってきた。
成人式にも着物を着たし、お茶会、お花見、お能、歌舞伎、
日本を堪能している。
全てに興味を持ち、積極的で、聡明で、明るく、前向きで、勉強家で、
エネルギーが全身に溢れている。
自分自身を信頼・信用している。
日本ではお目にかかれないような若者。
彼女の周りの人々に良い影響を与えている。
彼女曰く、日本の大学は簡単。
ロンドンでは勉強が大変で、いつもチャレンジだと言う。
世界のどこかで活躍し、
いつか彼女の名前が新聞に載る日が来ると楽しみにしている。
Romanian Festival ルーマニア・フェスタ
2014/07/14
子供中心に教えているAna先生からのお誘いで
早稲田大学で開催されたルーマニア・フェスタにリッチモンドのマスコット、
恭子ちゃんと参加した。
アナはルーマニア出身でロンドン大学からの交換留学生として
早稲田大学で学んでいる。
数か国語を話し、頭の回転が速く、弾丸のような早口で容赦なく厳しく
英語を教えている。
日本人にルーマニアの事を広めたいと、大使を招いてフェスタをしたいと
以前から語っていた。
ルーマニアは日本人にはなじみが薄い。
私も初めて会ったルーマニア人がAna。
ルーマニアと云えばドラキュラ―、またコマネチ、チャウシェスク
後は、何も知らない。
フェスタでは、プレゼンテーションでルーマニアの歴史や文化、
産業に触れていた。
また、民族衣装を着た留学生の歌や踊りも披露されたり、
ルーマニアワインや料理もふるまわれた。
ここでおさらい。
首都はブカレスト。
ルーマニア語はラテン語系のため、仏語、伊語、スペイン語等は、簡単だとか。
民族的にはラテン系だが、国境に接する国により混血になっている。
第2次大戦前は、王制だったが、ソ連軍の圧力で
ルーマニア社会主義共和国になった。
その後、ルーマニア革命によって、1989年独裁者チャウシェスクを倒し民主化した。
最後に、ルーマニアワインについて。
各家庭でワインを作っていて、2000年以上の歴史を持つ。
洗礼された味ではないが、どっしりとした大地のエネルギーが詰まった味。
早速ネットで注文した。
た・の・し・み。
The Kite Runner by Khaled Hosseini – 君のためなら千回でも
2014/07/07
70年代、ソ連侵攻直前の平和な美しいアフガニスタンから始まる。
使用人の息子ハッサンと雇い人の一人息子アミールは兄弟のように仲良く育つ。
ハッサンのアミールに対する子供ながらの忠誠心に心を震わされる。
そんな平和なある日、二人の関係にひびが入るような事件が起こり、
アミールはハッサンを裏切り、彼の人生を破壊するような仕打ちをする。
そしてソ連のアフガン侵攻でアミ-ル一家はアメリカに亡命。
時は流れ、作家として成功したアミ-ルはアフガニスタンに贖罪の旅に出る。
ハッサンは既にタリバンに殺されていたのも知らずに・・・・。
日本からは遠いため、
あまりにも関心がなさ過ぎ、自分自身の無智に唖然とした。
ソ連侵攻、アフガン戦争、タリバンの狂気的支配、9/11後のアメリカの攻撃等、
歴史に翻弄された人々、悲惨な状況下、必死に生き抜こうとする子供たち、
想像を絶する世界。
物語は、アフガニスタン内の民族差別、大規模な凧揚げ大会、
美しいカブールの街、文化にも触れていて、
ニュースで見る荒廃した風景からは想像しがたい。
また、二人の友情、父の子に対する切ないほどの愛情に胸を締め付けられる。
アフガニスタンからアメリカに亡命し、医師になったカーレド・ホッセイニの
デビュー作で、世界のベストセラー。
未知なる世界への、お勧めの一冊。
原文は比較的読みやすく引き込まれるような展開なので、
英語学習者は原文で。
先生のオリザニン
2014/06/27
先日、三越劇場の「先生のオリザニン」を鑑賞した。
チケットがあったので、あまり期待しないで行ったが、感動的だった。
オリザニンとは、ビタミンB1の別称。
鈴木梅太郎が当時の国民病である”脚気”の研究で見つけた有効成分。
同時期に研究していたフンク(ポーランド)がビタミンと命名して、
ビタミンという名が知れ渡った。
本当は梅太郎の方が発見が少し早かった。
鈴木梅太郎は、静岡の農家の出ながら徒歩で東京に向かい、
農林学校(のちに東京帝国大学に併合)に入学し、教授にまでなった。
種々の研究成果を残しただけでなく、篤志家としても文化勲章を授与された。
東京で書生となってお世話になったのが、
辰野金吾;建築家(東京駅、日銀本店、有名な小樽支店、国技館、霊南坂教会等)
その息子、辰野隆は小林秀雄、三好達治を育てた東大教授の仏文学者
その娘は、梅太郎の妻になる。
梅太郎が師事した古在由直(農芸化学者、のちに東大総長)は、
日本で最初の公害として有名な足尾鉱毒事件で、銅汚染を実証して、
田中正造たちをバックアップして産業界と戦った。
二人の博士は、
高潔、純粋、誠実、科学者としての良心があった。
そのうえ二人とも、日本の教育界の発展に貢献し、
農業分野、栄養、食品分野等、日本の産業界にも多大な利益をもたらした。
明治時代は、指導者となるべく人々は、みな高い地位で繋がっていて、
そういう指導者のもと、時代が正しいと思われる方向に導かれていた。
ひるがえって現在は、指導者たるものがいるのだろうか?
浅田次郎「終わらざる夏」から感動的な文章
2014/06/16
戦争に翻弄された市井の人々の感動的な言葉に泣かされた。
疎開地で終戦をむかえた子供たちに先生が話す言葉。
『天皇陛下が何とおっしゃろうと、みなさんに耐えがたきを耐えとは言えません。
みなさんがこれまでずっと、耐えがたきをたえ、忍びがたきを忍んできたからです。
お父さんが戦死なさった人、お母さんやご家族が空襲の犠牲になった人、
ほとんどの家は、焼けてしまいました。
もうがまんできないことはがまんしなくていい。
自由に物を考え、自由にしゃべり、自由に行動して、
ただしその自由な行動については、おのおのが責任を持って下さい。
しっかり勉強をして、この戦争で亡くなられた方々を、けっして犬死としないように、
平和で豊かな日本を作り直して下さい。』
年齢制限ぎりぎりで占守島に送られ、戦死した通訳者が奥さんに
宛てた手紙で、
『戦争がついに終わりました。これだけの尊い人命が失われれば、
もう二度と戦争は起こりますまい。
仮に戦う事が動物の本能であったとしても、人物の霊長たる人類は
行為の愚かさに気付いて、永遠に戦争という悪業に封印をすると僕は確信します。
略
戦争の結果としての平和はかくも虚しく、勝とうが負けようが
失われた命は帰ってこないのだと悟るでしょう。
略
二度と戦争はせぬ事。人類は必ずそう誓いを立てます。』
ある方が仰っていた。
3代続くと歴史は忘れ去られ、同じ間違いを繰り返すと。
3年目のハイビスカス
2年目の紫陽花
ポカラの会
2014/06/02
もう25年くらい前に、
サイババというインドの超能力者を紹介した「アガスティアの葉」を読んだ。
その中にネパールのポカラというヒマラヤのふもとの街で、
ネパールの貧しい人々のために全霊をささげておられる大木神父の事が
記されていた。マザーテレサの男性版に深く感動した。
心打たれながら読み進んでいると、
本の最後に大木神父への寄付の宛先、ポカラの会があった。
日本で大木神父を支援している倉光先生。
居ても経ってもいられず、すぐ寄付させて頂いた。
大した額ではなかったにもかかわらず、
「このお金はある家族の1年分の、、、になる、あなたの温かい思いやりは、、、、云々」
見ず知らずの私への倉光先生の心のこもった返信に涙が止まらず、
友人知人に見せては感動していたのを、今でも忘れることは出来ない。
その後も、寄付するたびに自筆のお礼状や、カードが届く。
倉光先生は集まった寄付をポカラまで運び、時には役人に
搾取されそうになりながら、一銭も無駄にすること無く届け続けた。
一度でも寄付した方には、ポカラの会の会報を自費で郵送していた。
このお金は郵送費に当てて下さいと、時々送金しても、
ポカラの会に入れますと、決して受け取らなかった。
80歳を過ぎてもお元気に飛び回っていらした倉光先生が、
今年の始め心筋梗塞で突然亡くなられた。
30年以上にもわたったポカラの会の活動は終焉した。
大木神父、倉光先生、シスター川岡、ポカラの会の方々、
私はクリスチャンではないが、
本物の方たちと不思議な縁で結ばれていたことは私の宝であった。
心の支えであったポカラの会は、倉光先生とともに消えてしまった。
けなげに咲いて夏を告げる道端の花